アメリカ連邦機関の閉鎖

現在、大統領権限で発動した連邦政府機構の一部閉鎖が30日を超えて続いています。その影響は、80万人の内、42万人は給料なしで仕事をし、32万人は自宅待機で給料が支払われていません。これは明らかに国民を犠牲にした政治です。

大統領やその家族は、「給料は後払いになるからよいではないか」、「閉鎖に協力している職員に感謝」、などとニュースで報道されていますが、給料を受け取れない職員は深刻です。国立公園職員、海上保安、空港管制官、空港セキュリティー、連邦税務署、年金機構、もちろんワシントンの美術館なども閉鎖されています。

30日を過ぎて閉鎖の影響がどんどん膨れ上がってきました。公園や美術館などのギフトショップ、売店などの関係会社、政府からの受注での支払いは全く止まった状態です。多くの企業は、従業員の一時雇用をして今を乗り越えようとしています。こうした影響は、日本では考えられない大統領権限での連邦機関閉鎖の結果です。

身近に感じられるのは、マンハッタンの中のアメリカンインデアン博物館は連邦博物館ですので閉鎖です。自由の女神があるエリス島の国立公園は閉鎖されていません。ニューヨーク州はこのような事態になっても州の費用で開園すると発表、1日65千ドルの費用を出しています。現在 毎日のように職員は家や車のローンが払えない、家族の医療費が支払えない、状態になり、食料品や生活用品が買えない職員のために無料で寄付の生活用品を配っています。

年金機構も閉鎖で、新たに年金を受け取れる人は手続きが出来ない状態です。多くの問題を解決するための議会が、話し合いをせずに閉鎖するのは納得がいきません。大統領の中間層への減税政策もとん挫したままです。去年までは、ホワイトハウスの言いなりだった議会が、今年からは下院の過半数が民主党になり、同じようにはいきません。

トランプ大統領の公約の一つ、メキシコ国境の壁ですが、壁を作ってもトンネルを作られるかもしれないし、壁の維持費が莫大になるので、別案としてサテライトやドローンの設備を使い、警備強化の予算を提示しても、大統領はまるで国境の壁に名前を付けたいがためのように固執しています。

現在の議員は、若い、女性、宗教の違い、マイノリティー、が増えました。これは、はっきりと今までの共和党多数の議会に対する不満の表れだと考えられます(この件に関してはまた別の機会に書くことにします)。

いつまで閉鎖が続くのでしょうか? そして閉鎖解除の切っ掛けがどのようなことなのか、が、焦点になり新たな問題が起きると想像できます。