ニューヨークで現代病の治療

年齢とともにいろいろ体の調子が気になるようになります。今、私が抱えている問題が、現代病の代表、糖尿病です。現代病の原因は、いろいろだと思うのですが、これと一生付き合うのが厄介だと感じます。体重は年々増えて、5年前からは、ついに糖尿病ギリギリの線だと言われました、このままだと糖尿病になるからと処方箋を出されました。

日本の家族に話したら「減量しないとだめね。アメリカの食事は量が多すぎないの?」と食べ物好きな私には、悲しい返事。ともかく、糖尿病は、減量とお酒や甘いもの禁止が第一だというのです。

発覚した5年前の医師も薬と減量、それも時々1週間の絶食を勧めてきました。絶食プログラムは、1週間まずいスープとガサガサクッキーにお茶で、全てがパッケージになっていて決まった時間に食すのですが、それがとても嫌で、気持ちが落ち込みました。この方法は、かなり体重は落ちるのですが、すぐリバウンドします。それから糖尿病の薬は、徐々に増やすのではなく、いきなり、かなりの量から始めました。

私の担当の医師がニューヨークからフロリダに移住することになり、2年前から新しい医師に診てもらっているのですが、状態が大きく変わりました。

今、診察を受けているSarah Fishman医師は、医学博士でもあり、今も現代病について、リサーチを欠かしていません。現代病だから仕方がないのではなく、減量できない理由を考えて方法を探してくれますし、薬だけでなく手術による肥満対策、ホルモンが起こす体調問題、骨粗鬆症など、歳と共に起こる問題を単に年齢のせいではなく患者に寄り添って、改善方法を考えてくれます。

自分の体のことなのに上手く伝えられないことはよくあることですが、Fishman医師は、「私は、時間をかけて聞きますよ。黙っていることの方がよくありません。検査さえすれば多くのことが分かりますから、そこからたくさんの方法を探してあなたに合った方法を見つけ、あなたの体に合ったことを探しましょう」と寄り添ってくれます。

Fishman医師は、早口で質問しながら何でもカルテに打ち込んでいます。とにかく、問診が長いのです。いろいろな話をしながら体重測定、血圧検査、目や足、足の裏の感覚、肌の色、体のあちらこちらを診察してから血液検査です。「歯医者さんは? 眼医者さんは? 身体検査はいつ? インフルエンザ予防接種はいつしたの?」こんな具合に矢継ぎ早に聞かれます。もちろんコロナの接種も聞かれました。「3食の食事何食べた? 果物ジュースは糖分が多いから丸ごと果物に変えてね。減量よりもバランス食事。お米は夜食べないで昼間食べてね。処方箋の薬で体調はどう? 胃がもたれない?」など聞かれます。また、「大事なことが隠れているかもしれないから、自分の体調なんでもいいから話しなさい」と言います。

この医者は、減量しなさいと言いません。糖尿病の薬は減量を促す成分が入っているものがあるから、減量をストレスに感じることはないと言います。とにかくバランスよく食べるようにと言います。それから薬が胃に与える影響も気にしてくれます。同じ薬でも状態によって処方箋の量を細かく変えます。前回、何だか首に汗かいて、「気のせいかしら?」と話したら、甲状腺の薬のせいかも知れないと血液検査後、量が変わりました。診察後、血液検査の結果、薬の変更や処方箋の連絡電話がかかってきます。特に処方箋は患者との相性があるから、胃の調子を考慮して朝晩薬を飲むのでなく、1週間に一度の薬もあります。

体調をよく聞いてくれますが、薬によっては大変高価であることが判りました。現代病や甲状腺のようなホルモンの病気は、長い付き合いになります。これは病気でなく体質などと考えずに向き合って生きて行くには、医師との信頼関係が何よりも大事だと感じています。そして、必ず自分に合った方法があり、上手く病気と一緒に過ごせる方法があるとFishman医師に出会って確信することができました。

以前、目の見えない画家に会いました。糖尿病が原因で目が見えなくなったそうです。仕事の知り合いで、車椅子生活になった方もいましたし、お店を閉じなくてはいけなくなった料理職人もいました。みな糖尿病でした。

情報社会の今、現代病はインターネットでも話題で、あれやこれやと驚くほどたくさんのことが書かれていますし、サプリメントも出ています。自己流な減量や誤ったサプリメントなどは、思いもかけない病気を引き起こすことがあり得ますので、体調が悪化する前に専門医に相談するのが安全ですし、自分に無理のない付き合い方が見つかると思います。

今の私は、体調良好、血液検査もほぼ正常、処方箋の力を借りていますが、体重も増えず、甘いものは以前よりは少ないですが、ケーキも食べますし、和菓子も食べます。

何年も一生懸命減量努力してもダメで体重計が大嫌いでしたが、今はストレスがないです。Fishman医師のウェブサイトにはいろいろなことが書かれています、特にServiceには、病気についてよく書かれていますので、参考になると思います。彼女には本当に感謝しています。

Sarah Fishman医師のウェブサイトは:https://www.premierendocrine.com

写真は、Sarah Fishman 医師と そのスタッフと医師(コロナワクチン接種を広めるために送られてきたメールから)