アメリカの健康保険の仕組みと医者選び

日本では国民皆保険でほとんど何も悩まずに健康保険に加入することができますが、アメリカでは個人個人がそれぞれ保険会社を探しそれぞれが個々に契約する、という仕組みになっています。そして、毎年12月15日までに翌年の健康保険を探し、契約をします。

アメリカの健康保険は、経済力と年齢、扶養家族、健康状態をもとに保険を選びます。大企業は雇用の好条件として健康保険代金を負担している場合もあります。個人で保険を買う場合は、掛け金と実際の治療費負担分が気がかりです。掛け金が高い保険は、治療費や薬代の負担が少なくてすみます。そして高価な保険の場合は、年1度の健康診断費用が無料というサービスが付いているものもありますし、予防接種などもカバーされます。これは早期発見により医療費の支払を減らしたい、という保険会社の意向です。

オバマ・ケアーは低賃金所得者救済政策ですが、代わりに健康保険に加入しないと税金申告時に罰金が加算されます。会社員であれば会社のグループ健康保険に入り毎年心配することはないのですが、個人経営の場合は、自分で健康保険を探します。そして住んでいる州によっても医療費の差が出ますし、州の健康保険援助が違うようです。一生懸命探さないとならない苦労は日本では考えられないことでしょう。

さて、アメリカでの医者は専門分野に分かれています。私のホームドクターの専門は消化器系です。ある時 健康診断の血液検査で、甲状腺に異常が見つかり、即座に甲状腺専門医師に紹介されました。再検査の結果、甲状腺だけでなく初期の糖尿病と診察され、そのまま専門医にかかり定期的に診察を受けています。専門医は、「糖尿病は治るし、治ったら薬はいりません。体質改善がカギです」と言われ、食事と運動、それ以外の方法をいろいろ一緒に考えてくれます。改善出来ない理由を、患者の一人歩きに任せるのでなく医学的に調査して細かく指導してくれます。それからセカンド・オピニオン、サード・オピニオン(何人もの医師の意見)は当然のことと説明されました。

アメリカでは、どの医者にかかるかは大変重要なことです。もちろん保険の加入医師の中から選ぶ(個々が加入している保険によって診てもらえる医師が異なる)のですが、保険代金が高いか安いかによって医者や病院の選べる範囲が変わります。保険会社のサイトから自分の住居と自分を理解して十分時間を取って診てくれる医師、最先端の技術やきめ細かな洞察力を持った医師を探すのは簡単ではありません。よい医師とよい施設の病院は大病の時には大変重要です。

こんな時に自分の経験と人事の仕事で培った履歴書を見る力が役に立ちます。アメリカでは糖尿病は早期治療、生活習慣を改善、目の検査、皮膚の検査、足の循環検査と診察を勧める医師が長い治療には欠かせません。アメリカでの保険代を無駄に支払わないように定期健診とその結果を深く追及するよい医者を探すのが大事なことです。

若い時は健康について何も考えなかったのですが、歳とともに健康は大変大事で高価なものになってきました。そして新生児も同じように早期発見が人生の方向を変える可能性があります。